熊本大学大学院 生命科学研究部
病態生化学講座(山縣 研究室 )
YAMAGATA Lab.
Department of Medical Biochemistry
Faculty of Life Sciences, Kumamoto University
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)
「老化メカニズムの解明・制御プロジェクト」
個体・臓器老化研究拠点(2017~2022)
熊本大学大学院生命科学研究部付属
健康長寿代謝制御研究センターと連携(2018~)
アクセス数
教授挨拶 (Greeting)
ごあいさつ
生命現象のメカニズムについて深く理解することは、病気の原因解明や治療法の開発に有用です。しかし逆に病気の本質を追究することで生命のしくみに係わる普遍的な法則に辿り着くという場合もあります。 著しい高コレステロール血症を呈する患者の検討から、一般的なコレステロール代謝機構の解明に成功しノーベル賞を受賞したGoldsteinとBrownの仕事はその好例といえるでしょう。
我が国における糖尿病や肥満症など代謝疾患の患者数は増加し続けています。一方、超高齢社会の進行に伴い高齢者の“やせ”・筋肉量減少・身体の虚弱といった老化を基盤とした機能障害も大きな社会問題になっています。我々の研究室では糖尿病やメタボリックシンドロームなど代謝異常疾患の発症機構や老化の特徴である代謝変容の分子メカニズムについて、最新の技術を活用しながら研究を進めています。
そして得られた「医学の知」を世界に発信することで、社会に貢献していきたいと考えています。 新しい知を得るためには、文献を読み知識を得た上で仮説を設定し、その仮説を検証するため積極的に実験を行うことです。 少々の失敗があっても諦めることなく継続することが大切です。 そのような方針で指導を行い熊本の地から世界の舞台で活躍できる若い人材の育成を図っていきたいと思っています。
研究の醍醐味は、誰も知らなかった未知の現象・病気の原因・体の基本原理を最初に見出す喜びであると思います。私は米国シカゴ大学に留学中、いくつかの糖尿病の原因遺伝子を世界で初めて同定することに成功し、生命活動を支配する 自然の神秘的なしくみの一端を垣間見る幸運に巡り合うことができました。 一人でも多くの若い人たちに、このような経験を体験してもらえればと思います。医学部のみならず、広く多くの学部出身の方々の参加を期待しています。
熊本大学大学院生命科学研究部・病態生化学分野
教授・山縣和也